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大和雅美先生スペシャルインタビュー【 コンディショニング冊子「Ballet & Conditioning」スペシャル】

2019.04.10

スペシャルインタビュー
大和雅美 × Ballet Conditioning

Angel R講師としてクラスから舞台演出まで務める大和雅美先生。ご自身が演出・振付を行なっている『DAIFUKU』の5月新作公演、そして6月の『ODORIGOKORO Vol.09』ではダンサーとしても出演されます。
実は、コンスタントにコンディショニングをご自身のトレーニングに取り入れているんだとか!
今回は、そんな大和先生に、Angel R発刊のコンディショニング冊子『Ballet Conditioning』のスペシャルバージョンとしてインタビューをさせていただきました!
ご自身のトレーニングになぜコンディショニングを取り入れているのか、その理由とは?? ぜひ最後までお読みください。


 

弱い部分が見えてくるのが面白い

 

現在、どのような種類のコンディショニングを実践されていますか?

ピラティスマシンのプライベートセッションを週1回と、時間がある時はAngel Rでバー・アスティエのクラスも受講しています。

 

大和先生がコンディショニングを始められたのはいつ頃からですか? 何かきっかけがあったのでしょうか?

ピラティスは、現役時代後半になってから始めました。一番の大きな理由は、怪我をしたくなかったから。
10数年前から、ピラティスレッスンが日本でも普及してきて、最初はマットのグループレッスンから始めました。それからマシンへ移行し、自分に合っているなと感じてトレーニングとして取り入れていきました。

私は背筋が強いから、腹筋をちゃんと鍛えないと腰が痛くなることも多いんですね。それに、作品を踊る時は同じ振りばかりを踊らなくてはならないから、どうしても身体の使い方もアンバランスになりがちです。そういった身体の弱い部分を強化したり、バランスが悪くなった部分を整えられることが魅力ですね。

バー・アスティエは、現役を辞めた後に、上半身が固まらないようにしたいと思い参加しました。無音で行うトレーニングも多い中、先生が選曲した音楽に合わせてレッスンするのが、踊る感覚に近いと思います。


コンディショニングを始めてみて良かったことは何でしょうか?

表面ではなく、体の中の体感として変化を感じられることですかね。ピラティスは、わかりやすく感じやすいと思います。特にマシンは負荷がある分、自分を知ることができます。

普段は、知らず知らずのうちに、自分の得意な方でバランスを取っていたりするんですね。ピラティスでは、腹筋を鍛えている時は、他の筋肉をなるべく使わず腹筋を意識して使って動かないといけないのですが、マシンだと負荷があることで使うべきところを使えている感覚がわかりやすいんです。誤魔化せないし、自分の弱いところがはっきりと見えてくるところが面白いですね! 無意識に使っている体の癖をニュートラルに戻すのに効果的です。

一方、バー・アスティエは上半身の動きがよくなり、それがバレエの表現の豊かさにもつながる感覚があります。脚の内旋も外旋もトレーニングするので、股関節を緩め、バレエクラスだけでは網羅できない部分を鍛えられたり、反対側への意識の大切さを取り戻せます。
一つ一つの動きの作用がわかってくると、音楽にノリながらでもしっかり意識的に身体を使っていける楽しいトレーニングです。

大和先生は、現在週に一度定期的に川本直枝先生のピラティスプライベートセッションを受講している。

 

バレエを踊るために必要な“イメージ”をトレーニングできる

 

“コンディショニング”と“踊る”ことは、どうつながっていると思いますか?

バレエでは「遠くを通って~」という場面があると思いますが、負荷がかかると押し返す力でさらに遠くを意識することができます。私にとって、“遠く”ってこれくらいいけるんだなーと認識が変わり、自分の周りの空間を感覚として把握していけるトレーニングにもなっていると思います。

バレエだと順番ばかり追ってしまうけど、トレーニングの中で自分の腕がもっと遠くまである感覚をしっかりイメージしながら動けると違いますよね。体のトレーニングをしながらのイメージトレーニングですね。

また、マシンから降りた時には、体の中に空間ができて、でもしっかりと地面を押して立っている感覚があります。ニュートラルで立っている感覚を体で覚えておくことも踊る上で役に立ちますね。

 

体の中に“空間”という表現が出てきましたが…

はい。関節と関節の間に空間が感じられて、踊りやすいんです。

空間があればその中のものは何でも自由に動きますよね。それと同じで、体の中の空間を感じられると体が自由になり、そして軸もわかりやすくなります。体の中の空間を感じることが、踊る時の空間を感じていくことにもつながっていると思います。

 

意識しなくても使っていけるようにするということ


よくコンディショニングでやったことをバレエにどう生かしていいかわからない、という話を耳にしますが、どう生かしたらいいでしょうか?

コンディショニングでバレエが上手になる訳ではないから、コンディショニングはコンディショニングとして動きを理解して、バレエはバレエの先生が求めていることをしっかり聞いたらいいと思います。
コンディショニングでは、わかりやすく一箇所を意識しながら動くことができます。バレエは全体を意識していかなくてはならないから、コンディショニングのトレーニングを重ねることで、その一箇所を意識しなくても全体として使っていけるようになるといいですよね。


なるほど! 身体が自然とその動きができるようになることが大切なんですね。
大和先生は、5月、6月とパフォーマンスが控えていますが、特に本番前に強化しているトレーニングはありますか?

強いところを使いすぎないようにするため、体幹や腹筋の意識を取り戻そうとしています。今しっかり意識しておいて、リハーサルに入ったら無意識で動けるようにします。

作品の振付の時には、一番最初の立ち方や姿勢を伝える際にもコンディショニングで体感したことが役立つそう。

 


できないことを楽しんで!


これからコンディショニングを始めたいと思っている人へメッセージをお願いします!

気になるコンディショニングのグループレッスンに何回か参加してみて、まずは自分の体を発見していくのが良いのではないでしょうか。
1回ではきっとどんなものかわからないので、なるべく回数を重ねてやってみて、自分に合ってそうだなーと思ったらプライベートレッスンなどにチャレンジしていったら良いと思います。

コンディショニングをしたからと言ってバレエが上手になるわけではありませんが、コンディショニングで言われたことがバレエのレッスンの中でナチュラルにわかる瞬間があると思います。例えば、ピラティスの中で行う膝の伸ばし方は、バレエで一番大事なプリエに繋がっています。

わかる楽しさはクラスに出る楽しさにもなりますよね。コンディショニングは一長一短にできるものではないですが、恥ずかしいからその形に無理やり持って行こうとするのではなく、「今ちょっとわかったかも!」という発見だったり、「できないこと」を楽しめるといいですよね!

 

 

大和雅美/プロフィール

4歳より、橘バレエ学校でバレエを始める。
掘幸子バレエ研究所、小林紀子バレエアカデミーを経て1995年より小林紀子バレエシアター団員、1997年より新国立劇場バレエ団シーズン契約ダンサーになり、両バレエ団の数々の舞台に出演。両バレエ団に2015年まで所属。平成28年新進芸術家海外研修制度短期研修(Ballet Notation)にて、 バーミンガムロイヤルバレエへ研修。Certificate in Benesh Movement Notation 取得。
Angel Rでの主要な舞台で振付・総合演出も務めている。若手ダンサーの育成にも力を注ぐ傍ら、バレエダンサー福田圭吾と共に、バレエ団の垣根を超えた新感覚バレエダンスエンタテインメント「DAIFUKU」も手がける。

 

 

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